HOMENewsletter

2011年6月号

「想定外」   ダルク後援会代表 竹谷 基

 前回、3月のニューズレターを発行してから、日本の状況はガラリと変わった。大震災によって『諸行無常』の言葉が甦った。人は常に死の陰を歩んでいること、目が覚めて起きられることが当たり前ではないこと、まさに、「今、生きている」ということは無条件のプレゼントだ、と言うことを思わされた。そして、生きるとは「生かされている」のであり、だからこそ、相互の支え合いが「生きる」ことに他ならない、と改めて思い至った。被災された方、避難生活を余儀なくされた方たちが一日も早く立ち直られるよう、微力ながら協力して行きたい。

 さて、前回、言葉について書いたけれど、震災後、考えさせられることが多い。特に、福島原子力発電所の事故に関して。未だに真相が伝えられない状況で「御用学者」なるものがマスコミで解説して、真実を隠蔽する言葉を発している。あるいは、当初、「想定外」が多用された。自然災害が起きる度、使われるが、責任逃れとしか言いようがない。しかし、学会から批判され下火になってきた。「『2011年3月26日 ... 想定外という言葉を使うとき、専門家としての言い訳や弁解であってはならない』。土木学会など3学会は、こうした内容を盛り込んだ共同緊急声明を発表した。」更に、安全、危機管理とは想定外に対処することであるから、今回はまるっきり怠慢と言われても仕方あるまい。そもそも、原発が「安全」と言うのは今さら神話だと言われるけれど、技術は未確立で、今回のように事故が発生すると取り返しのつかない、未曾有の大惨事が未来永劫続く(チエルノブイリ事故が証明)ことが、分かっていたにもかかわらず、「神話」を言い続け、聞く方は、検証することなく鵜呑みしていたのである。また、1960年に原発事故の補償を免責する法律が作られたことからも、初めから未曾有の事故は想定されていたはず。

 「トイレのないマンション」と言われるように、原発から生み出される言わば核のゴミ、死の灰と言われるものの処分法がなく、貯まり続けて膨大な量となって全国の原発から放射能を撒き散らかしているのである。原発事故は今回の事故を受けて、命、健康、家、仕事、財産、土地、故郷、一切を奪われ帰るところを失くした人々のことを思うとき、二度とあってはならないと思うのが普通ではないか。にもかかわらず、国の指導者たちは原発廃止を言い出さず、今なお稼働させているのは何故か。結局、力ある者、富める人たちは人命や人権、環境保護よりも利益優先している亡者である、と言うことなのだろう。

 言葉は、力ある者が使えば、「神話」となり、力のない人々を誤った道へと向かわせ、命を奪うことになる。戦争中の「聖戦」、戦後の所得倍増計画、大阪万博の人類の進歩と調和、そして、原発は環境に易しい、安全、等々。私たち力のない者は、乗り遅れるなと地獄へと強制連行される。気付いたら「想定外」と言われるのだ。旧約聖書では、それを偶像崇拝と呼ぶ。自由と平等を目指す理念を捨て、「富と力」の獲得競争、他者犠牲に生きることを。「自由と平等」を目指す、崇高な生き方を示す「言葉」を神と言う。私たちの発する言葉は他者を犠牲にするのではなく、「自由と平等」共生を想定するものでありたい。

 ダルクでリハビリする若者たちとの連帯は、「生かされている」ことを互いに気付き合う「想定内」の言葉となるのではないか。引き続き、名古屋ダルクへの支援をお願いする次第です。


「グリーンフラッシュ」   名古屋ダルク代表・「グリーンフラッシュ」責任者 柴 真也

  桜並木も青々とした木々へとその姿を変え、もう夏ではというような陽気となりました。皆様お元気ですか?私といえば、耳の痛みが酷くなり、耳鼻科へ通院し始めました。すると、耳だけではなく新たに「花粉症」という病名が与えられました。鼻水が止まりませんが元気です。

 さて、この度4月1日より予てから準備を進めてきた名古屋ダルクの第二デイケア地域活動支援センターを開所する運びとなりました。その名も「グリーンフラッシュ」です。名前の由来は後で説明しますね。昨年より開設における準備を始めてきました。通常業務の傍ら、申請書類や事業計画などを作成、資金集め、妄想、告知、そして2月に物件探し。何とか物件が見つかりました。が、賃貸契約の契約金は約60万円…大金。余分なお金一切なし。泣く泣く借金 、そして部屋を借りました。3月入居日、鍵を受け取ったときは嬉しかったです。新しいことが始まる。新しい居場所。期待でワクワクしていました。しかし、喜びもつかの間。さぁ、部屋の中が空っぽだ、カーテンも電気も椅子もない空っぽの空間だった。知人や支援してくれる人を頼り、使えそうなものをもらい、リサイクルショップへ行き、寄付を呼びかけ、1ヶ月走り回って…何とかギリギリ4月の開所に間に合いました。現在、事務机や棚、洗濯機、カーペット、エアコン、扇風機等不足しているものがありますが稼動しています。

 東日本大震災に原発、普天間基地問題等々、我々日本人は多くの問題を抱えています。それらのことと比べれば、薬物依存症の問題は小さいかもしれませんね。私個人は震災どころか「ダルク」のことでさえ、皆さんの力を借りなければ続けることもできません。私にできることは、薬中の回復をサポートすることのみで他に取り柄がありません。ですから、私は今日もダルクで仲間と話をし、共に過ごし、震災復旧の寄付金箱を見かけたらお金を入れ、筋トレをし、ミーティングに行きます。そして、今はこうして原稿を書いています。私達の新しい居場所「グリーンフラッシュ」をよろしくお願いします。また、応援してくださいね。

※ グリーンフラッシュ(英:Green Flash)
太陽が完全に沈む直前、または昇った直後に緑色の光が一瞬輝いたように瞬く、非常にまれな現象。緑閃光とも呼ばれる。見られる確率が非常に低いことから、南の島では「グリーンフラッシュを見た者が幸せになれる」という言い伝えがある(・ω・)ノシ

〔グリーンフラッシ開設準備基金〕
振込先 三菱東京UFJ銀行 黒川支店(普通)
口座番号 3684099
口座名 トクヒ) ナゴヤダルク リジ シバシンヤ
特定非営利活動法人 名古屋ダルク 理事 柴真也


「I can't, but We can !」   ナイトケアハウス「ホープ」責任者 津山 智樹

 今宵の満月を観て、記憶の扉が開きました。昨年の10月10日に私の双子の弟が、わき見運転者に後ろから追突され、Heaven’s NA へと旅立ちました。今年11月のツールド沖縄への夢を託したトレーニング中の事です。広島の彼の部屋を片付けた際、多くのメンバーからの手紙があり段ボール箱に入れると2箱になりました。どうすべきなのかわからず持ち帰り、自室の押入れに置きました。扉を開けるたびに、箱を眺め、扉を閉める。生涯続くことかと、考えあぐねていました。筋トレ中、憲さんにタンスの話をしたところ、一言。“あいつは灰になったんだから、ナオキのもんは燃やしてあいつに返してやれ”バーベル時、一緒に燃やしていただきました。なんだか、少しすっきりとしました。困っていることを口にすると、自分にはなかった発想が手に入りました。6ヶ月経った今でも、エアポケットの様に時々スポッと、嵌まり込みますが、一人ではありません。憲さんは、時々顔を見るなり“ナオキはお前と一つになったんだ!”と言います。先日、三河ダルクのフォーラムに参加した際、近藤さんは顔を見るなり“おーナオキ!トモキは残念だったな!”です。ありがたい事です。古いメンバーに限らず、沢山のメンバー、友人が支えてくださる事実。今日、私は強く感じます。薬物依存症に苦しんでいる一人ひとりが、再び、生きる喜びを手に入れることが出来ますようにと。

 今日は新しい仲間とつながりました。彼の名は、ナオキです。目に見えないモノを信じ続ける強さが少しだけ増えたような気がします。

 昨年の秋に手に入れた南京ハゼが芽を出しました。私共の一人ひとりも必ず芽を出します。私共に歩み寄り、お支え下さる皆様の目に見えない祈りが届き、一人ひとりの魂が洗われていきます。お支えくださる事、心より感謝いたします。

献金件数(ナイトケアハウス・ホープ)
  23年2月 7件 166,069円
    3月 6件 70,810円
    4月 7件 104,630円
    計 20件 341,509円

郵便振替口座番号: 00800−4−133552
加入者名: 名古屋ダルクナイトケアハウス基金


ダルクの仲間達

ミツ

 過去に覚醒剤で逮捕されて、その時に弁護士と弟の嫁さんが施設のことを調べてくれて名古屋ダルクに来ました。ダルクに来て1ヵ月半になります。今は、1日3回のミーティングをしながら、夜はバーベルをやって筋力をつけています。今現在は80kgが壁です。今の目標は、弟の体を抜くことです。

なおき

  ダルクに来て1日目は酒と処方でフラフラで1日目のことは、正直まったくといって何が起こって、誰と会話したのか覚えていません。一晩が明け酒もすっかりぬけ、ダルクに来たんだぁって感じです。まだまだリダツはきついですけど地道にゆっくりがんばっていきたいと思います。

ユウヤ

  ダルクに来て4か月が過ぎました。毎日の生活にも少しずつ慣れてきました。今は1日3回のミーティングをして夜は9時から筋トレでバーベルをやっています。ミーティングでは過去の話をグチグチ言っています。よく泣きます。ウジウジしています。バーベルは毎日続けていたら110kgが上がるようになりました。体は健康になってきました。毎日続けることが大切だなぁと思いました。

一平

「仲間」
 はじめまして、一平です。自分は名古屋ダルクの手伝いをさせてもらう為に沖縄ダルクから来ました。今回名古屋ダルクに来る前、沖縄での仲間と一緒に過ごす時間というのはNAミーティングや会議、ステップワークの時のみでした。なので今回の名古屋ダルクでの新しい生活は、一日の大半を仲間と過ごすので名古屋に行く前からすごく緊張していました。そして名古屋に到着し、予想通り病気が出てきました。『人に良く見られたい』『良き回復者として見られたい』という病気が再発です(笑)。そんな事を考えていたら肩に力が入り何もしていないのに肩はガチガチです(笑)。しかし仲間たちはそんな自分に話しかけてきてくれました。自分はというと、その事を認めミーティングでハイヤーパワーに対し話しました。仲間は、こんな自分をいつも受け入れてくれ本当に心から感謝したいです。

ヒロ

  ダルクには親に3ヶ月だけという条件で頼まれてきました。初めは、どんな所なのかよくわからず不安でしたが、みんな優しくて面白くて、すぐに溶け込むことができました。私は今、ダルクに週2回来ることがとても楽しいです。今まで学校でさえすぐに行かなくなっていたのに、ダルクはちゃんと来れていて、自分も親もびっくりしています。正直、ミーティングで話すのはまだ苦手で、テーマについて思っていることは沢山あるのにうまく言葉で表現できずにいます。運動も、正直めんどくさいなぁと思っています。それでも、ダルクにくるのが楽しみなのは、みんなのお陰だし、ダルクに出会えて本当に良かったです。ダルクのみんなは“薬物依存症”で苦しんでいますが、私は買い物依存症で苦しんでいます。別にめちゃめちゃ欲しいわけでもないのに、可愛いと思うと買ってしまうクセが直りません。私はお金が大好きなので、買い物をするとお金が減って気分が沈むのに目の前に可愛いものがあると買わずにはいられなくて我慢ができません。だから、ダルクで我慢を覚えて、買い物依存症を解決していきたいと思っています。みんなで行く、夏の沖縄もすごく楽しみだし、3ヶ月だけじゃなくていつまでもダルクと交わっていたいです。

しんたろう

  ダルクに来て7ヶ月がたちました。来たばかりのころは、ただいるだけでいいからと言われ、今思えばかなり楽でした。今は、警察に捕まった人や刑務所から届く手紙の返事を書いたり、資料を送ったりしています。手紙にはヘタクソな字で、自分の過去のことやダルクのプログラムの説明をしたりしています。他には、新しい仲間のサポートです。僕はかなりの自己中心的人物なので、これには苦労しています。自分がしてもらって良かったと思う事をしてやれと言われていますが、それがなかなか出来ていません。この事は、今後、少しずつ直していかなきゃなぁと思っています。クリーンタイムが3ヶ月になった時、夜の     NAでホームグループを決めました。最近になって、会場が一つ増え、僕が会場係と司会を   しています。他の仲間が来る30分前に会場の準備やコーヒーの用意をしています。毎回、この日が来るたびに緊張しています。トモキさんの6年のバースデーミーティングの司会もしました。いつもよりたくさんの人達が来て、自分が何を喋っているかわからなくなりましたが、無事に終わることが出来てよかったし、良い経験になりました。これからも色々な事があると思いますが、逃げずにがんばりたいです。

まさと

 薬物依存症のまさとです。21年の9月に岐阜ダルクに行きました。入寮して3週間目で覚せい剤を使ってしまい最初からやり直し、次はあと2日で3ヶ月のとこで使ってしまいやり直し、家に帰ったけど追い返されて22年の2月に朝のミーティングでぐだぐだ言ってたら、三河ダルクに行ってと言われたので行ったけど2泊3日でダルクを出ました。

 そして岐阜ダルクにこれからどうするのか話しに行って、出てくと言って生活保護の金10万持って出ました。すぐにシャブを買って使いました。すぐに金はなくなってどうにもならなくなったので名古屋ダルクのナイトケアハウスのバーベル場に寝てました。朝起きてきた仲間に会って2月12日にリハビリを始めました。朝10時からミーティングをして終わってから昼メシを食べて、昼13時30分から14時30分まで名城公園で運動して夜のNAに行って、21時から22時までバーベルをして、けっこう大変です。

 そして、クリーンタイムが1年たって、施設長がバイト探しをしてもいいと言ったので、探し始めました。夜のNAに間に合うバイトをしろといわれたので、求人情報誌を見て探し始めました。ハローワークにも行ってもらうからな、と言ったので行きました。ハローワークで、職業相談をしたら、残業が出来ない人はどこに行っても使ってもらえないですよと言われたり、何で残業が出来ないのか聞かれたり、答えるのが大変でした。けど、バイトを探し続けて面接に行って、質問に対して嘘をついたら、汗だくになりました。なかなか受からないので、面接官が悪いかと人のせいにもしました。書類選考と面接に30件以上行っていやになってましたけど、探し始めて3ヵ月後の4月30日にコンビニの人が僕を採用してくれました。コンビニのバイトは初めてで大変でバイトが続くのかどうなるか、わかりませんけど、頑張ります。


名古屋ダルク行動予定

5月

◎刑務所メッセージ 岡崎刑務所 名古屋拘置所
◎警察署面会
◎病院メッセージ(ダルクミーティング) 紘仁病院

6月

◎刑務所メッセージ 岡崎医療刑務所 名古屋拘置所(2)
◎学校講演 日本福祉大学 名古屋市立北高
◎病院メッセージ 桶狭間病院
◎瑞穂生涯学習センター
◎豊田聖霊会草刈り

7月

◎刑務所メッセージ 岡崎刑務所
◎江南保護司会講演
◎日本地区回復者の集い(NA)参加
◎学校講演
中津川市立阿木高 同朋高 ミヤタ中学校 南山中実習来 

8月

◎刑務所メッセージ 名古屋刑務所


編集後記

 皆様のご支援により「グリーンフラッシュ」の開所が実現し、メンバー一人ひとりが幸せを取り戻すべく回復への道を歩んでいます。幸せになれるというグリーンフラッシュ、ぜひ見たいものですね。(河合)


名古屋ダルク携帯ホームページ

 http://id3.fm-p.jp/300/nagoyadarc/


ダルク後援会は、名古屋ダルクを応援しています。

振り込み先(郵便局) 口座番号 00800-1-66786
           加入者名  ダルク後援会

ニューズレター 目次

このページのトップへ